中国の凧

2012-10-29

凧というのは、木や竹などの骨組みに紙、ビニールなどを貼り、風力を利用して糸で引き、空に揚げるおもちゃである。中国の一般庶民の間の伝統的な工芸品である。その形は主に自然界の生物を模しており、例えば:昆虫、動物などで、他には幾何学図形など、だいたい70種類もある。河南省開封市・北京市・天津市・山東省潍坊市・江蘇省南通市・広東省陽江市が中国の伝統的な凧の六大名産地である。

中国は凧の発祥地である。春秋時代(約紀元前8~5世紀ごろ)に起源があり、2000年あまりの歴史がある。初期の南北朝時代(約5~6世紀ごろ)には、凧は情報伝達の手段となり、隋や唐の時代(約6~10世紀ごろ)に至っては、製紙業の発達により、一般庶民の間では紙で凧を作るようになった。また、宋時代(約10~13世紀ごろ)になると、凧揚げは人々に愛される屋外の遊びになった。資料によると、古代の凧は軍事用、宗教的な占い、また、南北朝時代には通信用の道具として使われていた。

季節にかかわらず揚凧げはできるが、一般的には立春(2月4日か5日)から清明(4月4日か5日)までの60日間が、凧揚げのベスト時期と言われている。民俗学者から見れば、凧は古代の中国人が、亡くなった親戚、友達などをしのぶために作ったものだ。そのため、清明節(4月5日頃)に、亡くなった人への思いを凧に託して、その凧を空高く飛ばす。ほかにも凧を空高く揚げるのは、過去一年間溜まった悩みを徹底的に解消するため、また、来年の健康を願うためなどといったいわれもあるそうだ。

北京旅游网

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