民族音楽を流行に変えた 女子十二楽坊

2012-11-09

平均年齢24歳の13人の若く美しい女性たちが、二胡、古箏、琵琶などの中国の伝統楽器を操り、ラテン、ジャズ、ロックなど、流行の洋楽の要素を曲に織り込む。青春、伝統、流行の三つの要素が一体となって、伝統女子十二楽坊の『奇跡』は生まれた。

長い間、中国の民族音楽は、その演奏会や演奏者自体が話題になることはあまりなかった。しかし、『奇跡』という名の一枚のCDは、2003年末に売り出されると、日本で170万枚を売り上げたばかりでなく、日本に中国楽器ブームを引き起こした。2004年1月に香港で4回にわたり開催された中国音楽専門の音楽会は、連日満席の大盛況。観客の中にはこの音楽会のために飛行機をチャーターしてきた数千人の外国人が含まれている。3月19日に北京で開催された音楽会もチケット完売…。

このような奇跡を生み出したのは「女子十二楽坊」というユニットだ。楽坊の13名のメンバー(交代要員の二胡奏者一人を含む)はすべて中国音楽学院や中央音楽学院などの国内の名門音楽学校の出身であり、結成前から国内外の舞台で活躍してきた民族音楽の演奏者である。楽坊では二胡、古箏、琵琶、三弦、竹笛、葫蘆絲、簫、楊琴などの中国古来の伝統楽器だけでなく、人にあまり知られていない中国少数民族の楽器も使っている。

2001年6月に結成された女子十二楽坊は国内の音楽界で2年間地道に活動を重ね、成功をつかんだ。現在のところ女子十二楽坊は中国で最も海外団体との契約が多い民族音楽団である。彼女たちの成功は、その高度な演奏技術だけでなく、それまでの型を打ち破った演奏スタイルに負うところが大きい。二胡を立って弾き、琵琶もギターのように弾いてみせる。古箏も新しい様々な弾き方をする。京劇、民族音楽、昆曲など現代人には近寄り難い中国の民族芸術の粋が、女子十二楽坊の創造性によってポピュラー音楽に生まれ変わる。セクシーな衣装、情熱的な演奏は襟を正して拝聴するという伝統音楽のイメージを壊し、新しい命を吹き込んだ。

女子十二楽坊は中国で最良のプロデューサーたちを招いて、最強のチームを組織した。編曲を重ねながらその風格を保持した民族音楽を基礎に、西洋音楽の打楽器やシンセサイザー、エレキ楽器を加えることで、西洋風のリズム感を曲に持たせる。このように創り出された音はとても新鮮で、若い音楽ファンの支持を集めた。中国の伝統楽器で彼女たちが奏でるラテン、ジャズ、ロックの要素を帯びた楽曲には現代の息吹が溢れ、ジャンルの壁を越え、世界の音楽ファンに東洋の風を届ける。

もちろん、女子十二楽坊が伝統音楽に加えたアレンジに対しては賛否両論がある。賛同者は民族音楽の最大の問題であった聴衆と市場の開拓をやってのけたと言い、「このままでは消滅しかねなかった少数派・民族音楽に発展の道を開き、新民族音楽を立ち上げた」と評価する。しかし、否定派は彼女たちのやり方は純粋な民族音楽とは言えず、伝統に対する冒涜である。一つの民族の文化形式は他の形に変えてはならないものだと言う。

このような二つの意見に対し、女子十二楽坊のマネージャー王暁京さんはインタビューの電話口で自らの見解を語った。

「現在の先の見えない多元的なビジネス社会にあって、民族音楽は膠着した状態を脱しようとしています。女子十二楽坊のように大衆の文化消費生活にスタイルを合わせることは一種の必然と言えるでしょう。社会の絶え間ない発展にともなって起こった多元的な文化需要が、多元的な芸術スタイルをもたらすのです。女子十二楽坊はジャンルに関係なく、人々を幸福にするユニットなのです」。

女子十二楽坊のメンバー

周健楠:古箏奏者中央音楽学院卒業、北京民族器楽コンクールで金賞を受賞

楊松梅:楊琴奏者中国音楽学院卒業、北京民族器楽コンクールで銀賞を受賞

馬菁菁:楊琴奏者中央音楽学院卒業、海外での講師経験、演奏経験豊富

仲宝:琵琶奏者解放軍芸術学院卒業

張琨:琵琶奏者中国音楽学院卒業

張爽:琵琶奏者中央音楽学院卒業、遼寧省器楽コンクールで金賞を受賞

廖彬曲:管楽器奏者中央民族大学卒業、広西省器楽コンクールで銀賞を受賞

孫婷:二胡奏者中央音楽学院卒業、竜音国際器楽コンクールで銀賞を受賞

詹麗君:二胡奏者中央音楽学院卒業、国際器楽コンクールで優秀賞を受賞

殷焱:二胡奏者中国音楽学院卒業、南京器楽コンクールで銀賞を受賞

雷瀅:二胡及び独弦琴奏者解放軍芸術学院卒業、全国少数民族コンクールで金賞を受賞

孫媛:管楽器奏者中央民族大学卒業、第一回希望杯器楽コンクールで銀賞を受賞

蒋瑾:二胡奏者中国音楽学院に在学、北京市器楽コンクール少年の部で金賞を受賞

北京旅游网

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