北京-冬の風物詩

2013-02-06

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冬、北京に来たなら、ぜひお勧めしたい軽食は北京っ子のお気に入りの氷糖葫芦、栗など。

氷糖葫芦

中国人にとって糖葫芦(タンフールー)は、今でも根強い人気がある。糖葫芦とは、「サンザシ飴」のことで、北京を始めとする中国北部の伝統的なお菓子。昔から、北京の冬の風物詩とされてきた、日本で言えば、「リンゴ飴」によく似た製法。

糖葫芦の原料はサンザシで、作り方はとても簡単だ。まず、砂糖を糊状になるまで溶かし、そして、串刺しにしたサンザシに、その砂糖をからめる。冬の寒い時期は、すぐに砂糖が固まる、カチカチになった砂糖は氷のようにも見えるので「氷糖葫芦」と呼ぶ人もいる。

糖葫芦を売る店や屋台、それに自転車の荷台に糖葫芦を載せて売りに来る人を街中でよく見かける。ほとんどの人は、あらかじめ作ってあるものを買って行くが、注文をしてその場で作ってもらい、出来たてを食べる「こだわりのお客さん」もいる。値段はとても安く、1本1.5元から3元ぐらい。

中の具は、サンザシの他にも、いろいろな種類がある。昔から定番はサンザシだが、山芋もよく使われる。最近は新しい種類も数多く登場して、イチゴ・ミカン・バナナ・ブドウ・キウイ・プチトマトなどもある。また、サンザシの中にアンコを入れたり、サンザシの間にクルミを挟んだり、工夫を凝らしている店も多い。酸っぱいサンザシと砂糖は、とても相性がよくて、この二つを一緒に食べると、何とも心地よい風味を醸し出す。

糖葫芦の始まりは宋の時代に遡る。皇帝の妃が酷い拒食症にかかり、どんな薬を飲んでも治らなかった。仕方なく、全国各地から効き目のありそうな薬を捜すことになった。するとある漢方医から「食事の前に5個から10個ぐらいのサンザシを砂糖で煮込んでから食べてみなさい」という処方が寄せられてきた。漢方医の言ったとおりにやってみると、半月後、妃の拒食症はすっかり治った。サンザシが食欲を増進する働きがあることが分かり、この食べ方が世間に広がっていった。清の時代になると、食べやすいようにサンザシを串に刺して売るようになり、こうして現在のような糖葫芦が生まれた。

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