天灯

2013-02-18

現在、祝日に当たり、空に天灯を放つ人々の姿をよく見かけるだろう。天灯(てんとう)は中国やタイ王国などアジア各地域で広く見られる熱気球の一種である。天灯は、中国では許願灯(许愿灯)と呼ばれる。伝承より孔明灯とも称される。当初は通信手段として使用されたが、後には節句における祈祷儀式の用具となっている。スカイランタン、チャイニーズランタンとも呼ばれる。

由来

伝承では、三国時代に諸葛亮(諸葛孔明)が平陽で司馬仲達の軍に包囲された際、紙を貼った大型の籠を製作し外部に救援を要請したのが発祥とされるが、本当のところは定かではない。

歴史学者のジョゼフ・ニーダムは、1241年にモンゴル人がポーランド・レグニツァにおける戦役で、通信手段として龍のような形の熱気球を使用した記録があると述べている。

構造

天灯は主に竹で底部を形成し、その上に大型の紙袋を固定する構造となっている。現在では底部は針金により製作されているが、熱せされた空気を逃さないよう底部から上部にかけて大きくなる紙袋の構造は、同一である。

底部は中間に油を浸した紙を固定し、その紙に染み込んだ油を燃焼させることにより、紙袋内の空気の加熱を行なう。熱せられた紙袋内の空気は周囲の空気と比べ軽くなる。これが天灯が上昇する原理である。

習俗

天灯は戦時における通信手段以外に、各地で様々な伝承を生み、台湾では盗賊を避けて山に逃れた村民に安全を知らせるために天灯を放ったという伝承が生まれた。現在中国の南部を中心に元宵節に天灯を放ち無病息災を祈る民俗習慣として定着している。

特に台湾台北県平渓郷では1980年代後半より天灯を用いたイベントが行なわれるようになっており、平渓には天灯を製作する専門業者が存在し、21世紀初頭では元宵節に関係なく一年を通じて天灯を放つようになっている。沖縄県那覇市の奥武山にも天燈山御嶽と呼ばれる聖地がある。

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