歴史の洗礼を受けてきた東交民巷

2013-06-09

東交民巷は北京市の東城区にある一本の胡同であり、昔は陸揚げの場所であったため、東江米巷と呼ばれるようになった。巷の別称なる「江米巷」はそれに因んだものだ。西の天安門広場の東路から、東の崇文门内大街まで西東にかけて走っている。全長3キロメートル。北京では一番長い胡同である。

元の時代に、東交民巷は広場の西側にある西交民巷と繋がっていて、一つのフートンになっていた。「江米巷」と呼ばれていた。元の時代に、食料はこの町を通じて都まで運ばれたので、政府の税務局と税関はこの場所に設置された。したがって、ここは南からの食料を北に運送する重要な町として「江米巷」と呼ばれるようになった。元の時代、宮城東側の壁外にお堀があり、1292年に開かれた惠河は南北大運河と繋がることができた。当時の食料運送船は直接宮城外の船板胡同まで来て、荷下ろした後、米を販売していた。時間が経ち、ここはいつの間にか食料の販売の町になったのである。南の人は米をもち米と呼ぶが北の人は江米を呼ぶので、二つの名前を参考して、町を「江米巷」と呼ばれるようになった。

北京の胡同は名前が多く、実用的である。胡同の名前は文字通りの歴史の由来のあるものがほとんど。現在の人々がいまだ北京胡同を恋しい理由が十中八九そこにある。

永楽十八年、朱棣(明朝三番名の皇帝)が都を北京まで移してから、江米巷は都にある一つの長い町として残してきた。明の時代に基盤を修繕する時、江米巷は東江米巷と西江米巷に分けられた。六部の礼部と鸿胪寺、会同馆はこの巷にあり、安南、モンゴル、朝鮮、ミャンマーなど四つの付属国の使者を接待する時しか使われなかった。従って、会同馆を「四夷館」とも呼んでいる。 清の時代に入り、会同馆が改名し、「四译馆」の名前となった。政府は更に政策を改定し、外国使者がこの別館での滞在時間を四十日と決めた。

1860年に第二次のアヘン戦争で中国が敗戦し、清政府はイギリス、フランス、アメリカ、ロシアと「天津条約」を締結した。この条約の内容は公使の北京駐在だった。1861年3月に各国の公使は正式に北京へ入った。駐在先としては、英公使が東江米巷の淳亲王府(当時の名称:梁公府元々康熙皇帝の第七番目の息子である铁帽子醇・王允佑の官邸だった。)仏公使は安郡王府(当時の名称:纯公府努尔哈赤(ヌヌハチ)の孫、安郡王・岳乐の官邸だった)、アメリカ公使は米人Dr S.SWilliamが所有している東江米巷の私宅、ロシア公使は清の始まりごろに建築した東正教の教会堂であるロシア館に入居。その後、各国の公使は東交民巷の辺りで自分の別館を選んだ。1900年義和団運動前に、ここにあった大使館はフランス、日本、アメリカ、ドイツ、オランダ等だった。義和団運動(北清事変)が発生し、ここは大使館の集約地として攻撃の目標となった。その時期、「面を食べる時、ジャムを入れず、鉄砲で西什庫を攻撃する。鉄砲で交民巷を攻撃する」という童謡が流行していた。「鉄砲で西什庫を攻撃する」とは北京西皇城根の西什库教会堂のことを指し、「鉄砲で交民巷を攻撃する」とは東交民巷のことを言う。1900年義和団の乱を納めた後、「辛丑条约(北京議定書)」により、東江米巷をLegation Streetつまり、大使館の街へ改名された。その後、ここでイギリスのHSBC、イギリスのChartered Bank、ロシアのРоссия銀行、日本の横浜正金銀行、ドイツのTak Wah銀行、フランスのTaishin International Bank Trust Asset Management Departmentなどの外資銀行が相次ぎ開業し、旧フランス郵便局、病院などの施設が設置され、西洋式の建物が次々と現れた。辛亥革命が終わってから、この地域の洋館も元のまま保存されてきた。1945年日中戦争が終わったら、ドイツ、イタリヤなどの主要国が各自の滞在洋館を国民政府に引き渡した。1949年以降もここは各国の大使館として利用されていた。中和人民共和国と国交回復したドイツ、ハンガリー、ミャンマーなどの大使はここに駐在していて、1959年に朝阳門外の三里屯第一使館区へ移した。

この街は文化大革命の時、歴史的な理由から再び攻撃の対象となる。名前も「反帝路」へ変更され、ここにある多くの洋館が破壊された。1980年以降、北京の都市建設の発展と共に、東交民巷の建築物も都市計画の中で取り壊されりつつある。HSBC、怡和洋行、ロシヤ館の旧跡は道路拡大工事のため、破壊された。Tak Wah銀行は1992年に取り壊された。日本大使館は北京市政府のものになり、街のあっちこっちで高層ビル、現代式の建物が林立している。街の風景は大きく変わった。東交民巷は北京市文化財の保護街区として中央文物部門の保護を受けている。

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