岔道古城は八達嶺長城の麓にあり、古くから北京に通じる重要な窓口であった。北京から北西部に向かう交易地でもあった。昔から北京に通っている大切な窓口であり、北京から西北への商道でもあった。道はここから分岐し、ひとつは西の山西へ向かう道で、もうひとつは北に向かい、張家口および内モンゴル大草原へと通じる道である。そのため、岔道と呼ばれていた。
岔道は京郊の古い村であり、明の嘉靖三十年に建設された岔道古城の駐留地があった場所で、すでに450年の歴史がある。岔道古城は不均整な船の形をしており、東西の長さは449.5m、南北の幅は185m、高さ8.5m、総面積は8.3万㎡におよぶ。古城の両側にある山には、二つの烽火台が配備されている。明の「西関誌」の記載によると、「八達嶺は居庸关の険要の地であり、岔道は八達嶺の垣根である」と記されている。岔道村には、古代の宿場、旧式の旅館、四合院、樹齢200年以上の古エンジュなどの文物と古跡がある。
1893年、ロシアの学者阿.马.波兹德涅耶夫は岔道の査察を通じて、「岔道鎮は規模が大きく、ここに暮らす村民はほとんどがイスラム教徒である」と描いた。岔道は今、北京市延慶区八達嶺鎮岔道村であり、数年に渡る修復によって一新され、民俗勘合業の開発に取り込んでいる。どこまでも続く万里の長城と緑を湛える山々に囲まれ、古色蒼然としている。2006年に「北京郊外の最も美しい村」と評価された。
現在、岔道古城は民俗観光を展開している。農村料理を味わい、農家院に宿泊。春は満開の山桃の花を愛で、夏は夜の長城のライトアップを楽しむ。秋は古城と紅葉を鑑賞し、冬には雪が積もった山で遊ぶ。近くには八達嶺スキー場や八達嶺残長城などの有名なスポットと、南寨坡などの歴史遺跡がある。それらを巡る旅もまた一興であろう。
住所:北京市延慶区八達嶺鎮岔道村
アクセス:北京北駅から列車「調和長城号」線に乗って、八達嶺駅で下車。