最新の映画週末興行成績ランキングによると、19日に封切られた馮小剛(フォン・シャオガン)監督の新作映画「私人訂制(パーソナル・テイラー)」の先週末の興業収入が5150万ドル(約51億5千万円)となり、ニュージーランド・米国のファンタジー映画である「ホビット竜に奪われた王国」の9600万ドル(約96億円)に続く2位となった。特筆すべきは、後者は世界の56の地域で公開されていているのに対し、「私人訂制」は3つの地域だけであることだ。中国の映画市場が持つ「エネルギー」の大きさに驚かされる。しかしヒットしているお正月映画がない状況のなかで、映画館のスクリーンを独占しているという現状の中で記録しているため興業成績にどれほど本質が伴っているのか疑問視されている。文匯報が報じた。
スクリーンを独占映画ファンには選択の余地なし
「私人訂制」が記録的な興業収入を記録しているのは、ある意味で中国の現在の状況にマッチしたからであって「特殊な例」と言える。まず、映画館のスクリーンが「独占」されていることがひとつ。統計によると、封切られた19日、中国全土の主要都市で、上映率が50.33%に達するなど、4万7千回も上映され、今年夏に公開された中国の若手人気作家・郭敬明(グオ・ジンミン)氏の初監督映画「小時代(TinyTimes)」を超えて新記録を記録した。そして、その後も順調に上映率を伸ばし、70%を超える映画館も出てきている。
コメディがお正月気分にマッチ
中国では現在、多くのお正月映画が封切られているものの、突出した作品がないというのが現状である。その理由として、大作が少ないだけでなく、ある程度興業収入を伸ばしている「掃毒(TheWhiteStorm)」、「風暴(Firestorm)」なども暴力的なシーンの多い警察ものであるため、お正月のおめでたいムードと合わないことが挙げられている。「笑い」を切実に必要としていた市場に、コメディ作品「私人訂制」が救世主のごとく登場したのだ。実際、映画ファンの多くが、「唯一のコメディ」という理由で同作品を選んでいる人が多い。例えばあるネットユーザーは、「『私人訂制』以外に、何が見れるっていうんだい。(同作品にはブーイングの声が多く寄せられているが)、どれくらいひどいものか見に行きたいよ」と述べている。「人民網日本語版」