日本には偽物が少ない理由 法律が厳しい以外は?

2016-03-17

ここ数年、日本を訪れる中国人観光客が増えており、買い物が重要な行程になっていることが多い。日本には偽物は存在するのだろうか。日本で偽物をつかまされないようにするにはどうしたらよいだろうか。人民網が伝えた。

▽偽物は決まった分野に存在する

偽物は世界のどこにでもあり、厳格さで知られる日本でも同じように偽物は存在する。たとえば日本の理化学研究所の研究者は「STAP細胞」の論文を捏造し、日本の国際的イメージを大きく損なっただけでなく、関係者が自殺するという騒ぎに発展した。

一般の人々の生活に近いところでも、偽物に関する報道を時たま目にする。「朝日新聞」は2月17日付報道で、京都の食肉加工会社が九州地域で安い鶏肉を購入して自社の製品に見せかけ、高い値段で消費者に売りつけていたことを伝えた。同社の社長が警察に自首した際に述べたところによると、毎年「偽装鶏肉」を8万キロ近く売りさばき、400万円から500万円の利益を得ていた。偽装は2006年に始まり、10年近く続いていたという。

産地偽装は日本の食品をめぐる偽物事件でよく目にするパターンだ。原因としては、偽装が比較的容易であること、また食品の衛生に関わる偽装に比べ、産地偽装食品の多くは消費者の健康に害になることはない。それでは中国人観光客に人気の薬品や化粧品、電化製品などの工業製品に偽物はないのだろうか。日本の状況を熟知する専門家に取材した。

化粧品や美容家電の製造販売を手がける日本の株式会社ビューティフルエンジェルの営業部責任者の高畑莉沙さんは、「日本では工業製品に確かに偽物が存在するが、数は非常に少ない。日本の偽物は主に世界的大手ブランドのカバンなどの分野に集中する。こうした商品は日本市場で人気が高く、偽造品が流通しやすい」と話す。

▽高い代償で偽物販売行為を抑制

同社研究開発部の責任者の李暁航さんも高畑さんの見方に賛成し、「日本には偽物は少ない。日本は偽物商品を取り締まる法律が整い、処分も厳しい。社会の偽物に対する許容度が非常に低く、偽装のリスクが非常に高いということも、日本で偽物が少ない原因だ」と話す。

日本の「商標法」、「刑法」、「民法」、「関税法」などの法律には、いずれも偽物の製造販売行為を取り締まる条文がある。「商標法」の関連条項の規定では、偽物と知りながらこれを販売した場合は、他者の商標権を直接侵害したものとみなし、10年以下の懲役または1千万円以下の罰金、またはこれを併科するとしている。偽物と知らずにこれを販売した場合は、保有する数量または販売した数量が一定の範囲を超えれば、故意に偽物を販売したとみなされる可能性がある。

また日本社会は偽物に対する許容度が低く、特に企業が偽物を製造していたことがわかると、法的な罰を受けるだけでなく、メディアに大きく取り上げられ、企業にとって極めて大きな汚点となる。偽物を製造した企業は業界や消費者の信頼を失い、巨大な損失を出したり、時には倒産することもある。前出の産地偽装の会社社長は強い圧力を受けて自主し、その後開いた記者会見では謝罪のほか、会社の閉鎖を発表することになった。

同じようなケースとして、しゃぶしゃぶ・すき焼きチェーンの木曽路が14年にメニュー偽装を行い、普通の牛肉を使用していながら、メニューに高級牛肉と書いた事件がある。事件が発覚すると、客離れが深刻になり、同社の売上・業績は低迷し不振に陥った。今年3月10日に辞任した社長は辞任と事件との関わりを否定するが、日本の世論では2年ほど前の事件の責任を取って辞職したとの見方がもっぱらだ。

高畑さんは、「日本では偽物が少ないため、日本の消費者は偽物を見分ける力が弱く、普通の買い物で偽物かどうか考えることはまずない」といい、李さんは、「これは消費者が企業と市場を信頼しているからで、法律や道徳に基づいて構築された社会の信用システムがあるからこそ、日本では偽物が少ないのだ」と話す。

李さんは化粧品メーカーの状況について次のような例を挙げて説明する。「化粧品メーカーが商品を製造する際には、容器のメーカー、パッケージ印刷会社など各社との協力が必要で、他社に委託してパッケージ部品を製造する。こうした協力関係は長期的なものだ。大手ブランドが委託製造を行う場合は、書面による厳格な証明が必要になることが多い。他社ブランドの偽物化粧品を製造するには、多くの企業と『示し合わせ』なければならず、これはなかなか容易ではない」という。

李さんは、「日本は労働力、原材料、物流など各段階のコストが高く、偽装のリスクも高い。利益を考えると、一般の企業が偽物製造を選択することはあり得ない。日本で偽物が出回る高級カバンの場合は、単価が高く、『薄利多売』以外の方式で稼げるため、危険を冒して製造販売する人が出てくる」と説明する。

李さんは、ネットで偽物の日本製品を買ったという人の話が出ていることについて、「ネットで日本製品を買う場合、まず商品のルートが正規の合法的なものかを確認する必要がある。『日本製品』と書かれたものがすべて日本で製造されたとは限らない。また日本には外国人観光客をターゲットとしたブラック店舗やブラックガイドもあり、日本旅行で買い物する時には事前におおよその価格を調べておくとよい。価格が高すぎる場合は、警戒心を高めなくてはならない」と話す。李さんも高畑さんも、「日本で買い物する時はできるだけ日本人が普段買い物する店、スーパー、ドラッグストアに行けば、偽物を避けられる」とアドバイスする。(編集KS)

「人民網日本語版」

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