中国のマインクラフトプレイヤーが「円明園」を復元

2016-04-07

2012年5月20日にサンドボックスゲーム・マインクラフトの20-30歳のプレイヤーが立ち上げたチーム「史詩工坊」が製作した動画作品「万園之園·円明園」が今月1日にネット上にアップされ、好評を博している。中国青年網が報じた。

同チームは微博(ウェイボー)の公式アカウントに「中国人が初めてマインクラフトを使って復元した『円明園』(清時代の離宮)。このプロジェクトは今後も、円明園を作るという夢が完全に実現するまで続く』と書き込んだ。マインクラフトは、ブロックを空中や地面に配置し、自由な形のものを作っていくゲームだ。

「史詩工坊」は、マインクラフトを使って、中国の古代建築物の詳細まで再現するプロジェクトに取り組んでいる。「円明園」の復元は14年6月から始まった。プロジェクトを企画する馬卡卡さんは、「壮大な景観をもう一度見るというのが心からの願い。中国が栄えていた時代の文化は世界のメインカルチャーで、たくさんの伝統文化・芸術は世界で人気だったということを忘れてはならない。今では、風化してしまい、私たち若い世代は歴史についてあまり知らない。当チームの多くのメンバーが私の見方に賛同してくれているから、このプロジェクトができている」と語る。

同チームはネット上で資料を集めるほか、中国中央テレビ(CCTV)のドキュメンタリーを何度も見、「円明園の『記憶遺産』—様式房の画像・文書」、「過ぎ去った輝き—円明園建築園林研究と保護」などの書籍を読み、馬さんはさらに円明園を研究する専門学者とも交流を行った。また、これら膨大な下準備のほか、円明園の遺址公園に4度足を運んだ。

14年10月、マインクラフトを使って円明園を再現するプロジェクトが「着工」した。

パーク全体の平面は、5000×5000のフィールド。地形図だけでも、馬さんは7-8枚作成し、破棄した画用紙は「数十枚」という。建築、庭園、内装、植物など、チームのメンバーが全て、クリックして再現していく。

チームのメンバーのほとんどが、造園や建築のメンバーではないものの、ゲームが好きという共通点があるため集まり、共に研究、模索。「センスと観察を頼りに、庭園の様子がはっきりしてきた。これは本能だより」と馬さん。

その後、14カ月かけて、今年の春節(旧正月、今年は2月8日)前に同プロジェクトは一段落。円明園には150の景観があり、そのうちの50を再現する計画で、現在ネット上にアップされている動画に出てくる景観はそのうちの30%にも満たない。

馬さんは、「この動画が、眠っている人を呼び覚ます水のような役割を果たすことを願っている。過去を忘れてはいけない。歴史に対する敬意や探求する精神を呼びさましたい」と語る。

あるネットユーザーは、「このチームが廃墟に命を吹き込んでくれた。これは、教科書を見るより、心を揺り動かされる。直感的に円明園を見ることができ、これは単なるゲームではなく、みんなの夢でもある」と絶賛している。同プロジェクトのメンバーという貳小哲さんは、「動画がアップされ、バックミュージックが流れはじめると、思わず涙を流してしまった。これはみんなの夢。今は、あの傷跡に触ることができるようになった。円明園は眠っているだけで、まだ生きている」と書き込んでいる。(編集KN)

「人民網日本語版」2016年4月7日

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