お年寄り占拠対策で有料化 イケア休憩スペース、食事注文必須に

2016-11-08

スウェーデン発の大型家具店「イケア」は10月5日、上海の店舗内に設けているレストランを兼ねた休憩スペースが一部のお年寄りグループに占拠されているとして、食事を注文した人のみが利用できる規定に変更すると発表した。

イケアによると、お年寄りのグループは6年ほど前から自然発生的に休憩スペースに集まるようになり、レストラン利用者から「食事をする席がない」「長時間騒いでおりうるさい」などの苦情が寄せられるようになっていた。お年寄りの多くは単身生活者と見られ、話し相手を求めて集まり、お茶や食べ物などは持参。無料サービスのコーヒーを何杯も飲んで過ごす様子が常態化していた。

苦情を受けたイケア側は、ほかの利用者に席を譲ることなど節度ある行動を何度か求めたものの、状況に変化は見られず。今年の国慶節連休中にはお年寄りの数は500人近くに膨れ上がった。10月4日には席の取り合いから殴り合いの事件が発生。店側が公安に通報するまでの事態となり、翌5日より今回の新規定が導入された。

規定実施後、レストラン入り口には3、4人の警備員が立ち、セルフサービスのトレイに料理を載せたレストラン利用客以外が座席スペースに入らないよう監視。お年寄りの数は十数人規模に減り、ほとんどはレストランで一番安いパンを買い、それを食べずにテーブルに置いたままおしゃべりに興じる姿が見られた。

あるお年寄りの女性は取材に対し「前はここに来れば必ず誰かとおしゃべりできて、タダでコーヒーも飲め、気が向いたら店内も散歩できた」と残念そう。無料のコーヒー機の前に並んでいた別のお年寄りの男性は「こんな風に無理やりお金を使わせるのは不公平」とこぼしながらも、「10元そこらの注文で利用できるなら、ほかの場所に行く気はない」と、今後の利用継続を明言していた。

一方、付近で働いているというワイシャツ姿の若い男性は「今日はお昼休みに昼食を食べにきた。こんなに空いているなんてうそみたい」と笑顔。以前は火曜日と木曜日はお年寄りたちの“お見合い日”とされ、特に人が多かったと明かしながら「これからはいつでも来られる。規定は大歓迎」。ほか「コーヒーは相変わらず何杯も飲むお年寄りがいて、並ぶのが大変だけど、とりあえずは満足」など、規定を歓迎する声が多く聞かれた。

イケア関係者は、「規定変更は大部分のお客さまから支持されていると感じている」とコメント。今後の規定変更の可能性については、しばらく状況を観察した上で検討したいとのことだ。【澎湃新聞 10月11日 転載】

「らくらくプレス」より

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