北京市から河北省承徳市に行くなら、京哈高鉄（北京市と黒竜江省ハルビン市を結ぶ高速鉄道）に乗るのは51分間かかり、最も速く着けます。とても便利でしょう。

緑皮火車と呼ばれる緑一色の列車に乗るのは6時間かかりますが、面白みたっぷりの旅となります。

列車に乗って農産物マーケットへ

高速鉄道で北京に行くのは、多くの承徳市住民が出かけする際に最初の選択となっています。しかし、足元では北京朝陽駅にまだ地下鉄が通っていないため、利用客はバスまたはタクシーに乗ってから地下鉄に乗り換える必要があります。

歳月を重ねり、目まぐるしい変化を目の当たりにしました。61年間を経て、京哈高鉄の北京――承徳区間は開通されました。昔の緑皮火車はグレードアップし、高速鉄道に変身しました。6月25日午前0時、第三段階となる列車運行ダイヤの調整が実施され、京哈高鉄の複数の承徳南駅往復の旅客列車について運行時刻を変更しました。承徳市・北京市往復の高速列車のうち、2本の旅客列車で北京駅に直行できます。それにより、利用客に大いなる便利をもたらしました。

現在、大勢の観光客は京哈高鉄に乗って興隆県のマーケットに遊びに行くほかに、緑皮火車と呼ばれる緑一色の列車は依然として田舎暮らしを体験するのに良い選択です。

緑皮火車の乗客はほとんど高齢者で、家族と一緒に承徳市に行って美しい景色を見て、農家の生活を体験しようとします。旧暦の初二、または初七となると、興隆県にはにぎやかなマーケットが開催されます。

春はさくらんぼ、夏は野菜、秋はブドウ、冬はさつまいもなど、マーケットで旬の食材は出揃います。

承徳山区では、速度の遅い緑皮火車は1980年代から今までずっと運行しており、沿線の村民に奉仕し続けています。通州西駅と承徳駅を結ぶ京承鉄道は都市部と農村部を結び付け、農産物の都会進出を後押しします。

行き来する「かご隊」

高速鉄道であれ、緑皮火車であれ、どっちも人々の夢と希望を支えています。興隆県の住民にとって、緑皮火車は通勤手段となっています。時速120キロですが、彼らにとって欠かせない存在です。

興隆県駅・承徳駅往復の列車は南湾子などの村を経由し、100キロ以上を走行します。昔、奥山にある村の交通が不便なため、農民たちにとって、鉄道は農産物輸送における重要なルートです。地元民になじみ深い「かご隊」は果物や野菜などの農産物をかごに入れ、かごを背負って列車に乗り、承徳市に売りに行きます。村人の希望を乗せて承徳市に向かう鉄道は興隆県の人々の幸せな生活への道となります。

ここ数年来、新設された道路を通じて、外出がより便利になります。しかし、緑皮火車の切符価格が手ごろだし、輸送能力が高いから、「かご隊」にとって相変わらず最優先の選択です。毎朝、村人はかごを背負って興隆県駅を出発し、列車に乗って承徳に採りたての農産物を売りに行きます。

春はさくらんぼ、イチゴ、夏は野菜、キノコ、秋はりんご、ブドウ、冬はさつまいも、くるみなど、農家は旬の果物を担ぎ、列車に乗って町に向かいます。農家の畑で育てた旬の果物や野菜は都会の人々の間に大人気なグリーンフードになります。

当地の住民のために、この列車の汽笛は絶えず響き渡っています。2013年頃は8両編成でしたが、現在は3両編成となっています。それにしても、緑皮火車は沿線の住民のために走り続けています。

高速鉄道と緑皮火車、各々のメリット

京哈高鉄の北京――承徳区間が開通された後、河北省のすべての地級市から高速鉄道で北京に直行できます。観光業界や人的移動にも、新たな活気が吹き込まれるようになりました。

平日には承徳南駅の一日平均旅客輸送量は約8000人で、ピーク時には約2万人に上ります。承徳市と北京市を結ぶ列車は30分おきに運行し、とても便利です。

人々のお出かけをよりよくサポートするよう、「メーデー」連休期間中、承徳南駅は観光バスを設け、利用客が駅を出た後すぐにバスに乗り換えるようにします。約30分で避暑山荘などの観光スポットに到着することができます。

京哈高鉄の北京――承徳区間の開通以降、京哈高鉄の輸送旅客量は徐々に増加し、しかも連休中にピークを迎えました。端午節連休に対応するため、京哈高鉄は6月11日、45の往復の旅客列車を増発しました。

61年前に開通された北京市と河北省承徳市を結ぶ京承鉄道のおかげで、山々の懐に抱かれた曲がりくねったレールは、人々が奥山から抜け出せる重要な路線となります。現在、時速350キロの「復興号」も山の奥を走行し続けており、スピードの速い高速鉄道は人々の往来に便利をもたらします。それに対し、緑皮火車の所要時間は約6時間程度です。しかし、緑皮火車に乗ることは都市の人にとって、田舎暮らしを体験したり、農家の味を堪能したり、緑豊かな自然を満喫したりするためのファーストチョイスです。【呉歆沁　訳】