北京市長安街の西延長線上にある首鋼パークでは、高炉が鋼鉄の巨人のように堂々と立っています。産業遺跡がら生まれ変わったこのテーマパークは北京における工業発展の歴史の証人であり、中国における工業の近代化の縮図でもあります。

1919年に設立された首鋼は、中国鉄鋼業の発展が困難なスタート段階から改革に至るまでの全過程を見守ってきました。2010年末に生産を停止する前に、100年の歴史を持つこの工場は、かつて北京市の鉄鋼業の代名詞でした。首鋼の鉄鋼事業が最も輝かしい時期には、北京市における工業化の発展や全国の鉄鋼業に重要な役割を担っていました。

首鋼が創られた時は、五四運動が盛んでいました。多くの愛国者が実業で国難を救う夢を抱いて石景山のふもとに集まり、首鋼の前身である石景山製鉄所を建設しました。

新中国成立後、首鋼がさらに発展を遂げました。1958年に中国初の横吹転炉を建設し、「鉄はあるが鋼はない」歴史に終止符を打ちました。1978年、粗鋼生産量は179万トンに達し、全国鉄鋼企業のベストテンに入りました。

改革開放後、首鋼は大きな発展期を迎えました。1979年から国は国有企業に対して一連の改革を行い、首鋼は国家経済体制改革の第1陣の試行企業となりました。首鋼の請負制は、当時の中国における国有企業改革の代表例の一つとなり、中国の工業企業改革の旗印となりました。

北京オリンピックの招致成功から、北京の生態環境を全面的に改善するため、首鋼は2005年から徐々に生産を抑制・移転し、構造調整と環境整備を行うようになりました。2010年末、北京市石景山の首鋼園区は鉄鋼製造プロセスが完全に停止し、高炉の休止に伴い、高熱の液体が花のように飛び散った時代は歴史となったのでした。遊休されていた首鋼北京園区は、計画と改造が始まりました。2015年、首鋼西十筒倉園区は北京2022年冬季オリンピック組織委員会のオフィスの所在地に選ばれました。2019年には「功勲高炉」と称される第三高炉が工業文化展示の空間として改造されました。2020年には、首鋼スキージャンプ台が北京2022年冬季五輪北京競技エリアで初めて竣工した新会場として、正式に引き渡されました。

現在、新首鋼大橋も全面通行とし、輝かしい栄光の歴史を持つ北京西部最大規模の工業区は、北京の産業遺跡の再利用モデルと都市復興の新たなランドマークにされつつあります。