1925年に設立された故宮博物院は、中華民族の誇りのある場所であり、全人類の貴重な文化遺産でもある。今、かつての皇居禁地は、明・清の皇室の宝物を収蔵する巨大な宝庫であると同時に、明・清の宮廷の歴史を記載する生きたアーカイブでもある。紫禁城には物語が多くて、それと比べ、故宮文創館はかなり若いが、その来処と帰処は依然として中華民族の伝統文化である。

コンテンツを掘り起こし、統合する際、故宮文創は歴史的・文化的シンボルと現在の審美的な文脈を結びつけ、消費者の注意を引き付ける文化的シンボルを抽出し、その後、製品の使用シーンと結びつけ、アイデア化の手段により適切な製品を作り上げる。

例えば、故宮文創が発表した2種類の口紅は、デザイン要素がそれぞれ故宮博物院の大切な文化財「黒漆嵌螺鈿花鳥羅漢床」と「紅漆辺架緞地刺繍山水松鶴囲屏」に由来しており、カラーナンバーも収蔵磁器の色や故宮の要素を帯びたものから取ったもので、例えば「宮壁紅」、「頬紅紅」、康熙時代のササゲの赤い釉薬から取った「美人晴雨」などである。

以前の故宮の商店では、彫刻された扇子、老仏爺の金の爪、牡丹花のシルクしか買えなかった。現在の故宮創意館では、「Q版皇帝皇後しおり」、「三宮六院冷蔵庫シール」、「故宮猫フィギュア」、「海江崖紋」のトートバッグ、「福韻ネックレス」、「故宮国色」の口紅、「寧寿宮慶寿堂潘祖蔭カレンダー」、「白鶴紫」のメモ用紙など、より実用化され、多元化された製品は故宮文化を消費者の日常生活の必須アイテムに変え、展示ケースの中に冷たく並べられた出土品を、誰もが手の届く身近なイメージに変えている。