中国南西部の四川省にある臥龍国家級自然保護区管理局は数カ月前、区内で撮影された世界唯一の野生の白いパンダの完全な活動映像を発表しました。このほど研究者は収集された白いパンダの生物学的情報により、オスだと判定しました。

2019年、同地区のモニタリング映像で珍しい白いパンダが初めて発見され、その後、保護区の職員がパンダの活動エリアに複数台のリアルタイム伝送が可能な赤外線カメラを設置し、4年間にわたる追跡モニタリングをおこなってきました。モニタリング映像によると、このパンダは地域内の他の野生パンダと正常な交流があるほか、竹を食べ、木の幹にすり寄ってマーキングをし、交配や縄張り争いと思われる行動も確認されており、これらの行為から白化突然変異が同パンダの成長や社交活動に影響を与えていないことが示されました。

パンダの明確な生物学的情報を入手し、性別を正確に判定するためには、ふんやその他のサンプルを採取する必要があります。しかし、現実的にはこの白いパンダは標高2500メートルから3000メートルの地域に生息しており、生息地域にはさまざまな猛獣が出没しているほか、他のパンダの活動軌跡と交差もしています。以上のことから、臥龍国家級自然保護区の職員はリアルタイムで伝送可能な赤外線カメラで追跡とモニタリングを行い、活動痕跡が発見されると、直ちに職員を派遣して10時間以上の徒歩と登攀を経て、やっと白いパンダのふんのサンプルを採取しました。さらに遺伝子シークエンシング技術を利用して分析をおこない、最終的にオスのパンダであると判定しました。

北京大学の科学研究チームは現在、現地で野外科学調査をおこなっており、白い野生パンダの最新研究情報を発表し続ける予定です。（ヒガシ、野谷）