故宮角楼コーヒーは、王家御用の要素を基調とし、「明清美学」を備えており、香ばしい珈琲の香りだけでなく、宮廷文芸の雰囲気も濃厚に漂っている。ここに来れば、名画「千里江山図」にも出会うことができる。

宮廷の雰囲気を感じさせるカフェとして、その外観は古代の亭楼の建物。朱赤の門と青緑の梁角、シンプルで古風な彫刻の窓サッシで装飾されており、華やかで重厚な雰囲気を与えている。高い扉の上には中国語と英語の看板がぶら下がっており、古風な雰囲気の故宮喫茶にモダンな雰囲気を与えている。室内のカウンターは、メタリック素材に柔らかな照明に合わせて、屋外全体のスタイルと対比されるデザインとなっている。

まろやかな味わいで、甘くて飽きのこないチョコレートホットは、後味が長く、すがすがしい香りが鼻に抜ける。チョコレートの味は神秘的で微妙で、舌の上の「素晴らしい歌」を演出する。香る栗ラテは、コーヒーに広がる栗の香りと、リアルなふっくらとした粒が食感を豊かにし、一口ごとにエネルギーと栄養をたっぷりと詰め込んで、体に元気を与えてくれる。ネットで人気のロールケーキや旬のかわいい月餅がエネルギーを補給してくれる。美しい景色を楽しむときのおいしいスイーツだ。

故宮角楼珈琲には珈琲のほかにもお茶があり、「雍正十二美人味付け茶」は特徴的だ。この十二美人は『胤禛美人図』をデザイン要素とし、茶箱にさまざまな姿でプリントされている。茶箱の中の茶葉は烏龍、プーアル、紅茶、緑茶、白茶原葉などがあり、ハスの葉、バラ、柚粒、そば、桂花が添えられている。ここで販売されている故宮の特徴的な口杯には青花磁器の紋様がプリントされており、目を楽しませてくれる。

現在、故宮角楼珈琲は単なる故宮の喫茶店ではなく、故宮文化を主な特色とするランドマーク的な店舗を形成している。故宮の角楼カフェの外にある城壁に近いテーブルや椅子に座り、殿の天井に梁紋の装飾が施された色とりどりのカップを手に、まろやかなコーヒーを味わう。まるで古代と現代の境界線を越えて、時に過去にタイムスリップし、時に現実に回帰しているようだ。