景泰藍、翡翠、玉 石彫刻、象牙彫刻、彫漆(ちょうしつ)、金属工芸、宮廷絨毯、北京刺繍といった「燕京八絶」の技法は戦国時代から始まり、十分に各地の民間工芸の精華を取り入れられており、清朝時代に中華伝統工芸の新たなピークを迎え、次第に「北京製」という特色を持った宮廷芸術を形成していき、国内外で非常に高い評価を受けるようになりました。現在、この八大工芸品目がいずれも国家級無形文化遺産に登録されました。
■彫漆
北京の彫漆技法は天然の漆を器に相当の厚さを塗り、刃物で積み重ねられた平面の漆器に文様を彫刻する技法です。

彫漆製品の造型は古めかしく、こだわりのある紋様、防湿、抗熱、耐酸・耐アルカリ性、変形のなさ、変質のなさの特徴があります。まさしく中国の工芸美術家の卓越した技巧と叡智を表したものであり、中華民族の伝統工芸の宝物です。
見学:北京燕京八絶博物館、北京麒宝閣、北京工芸美術博物館
■宮毯
北京のハンドメイド絨毯は旧称「官坊毯」で、「宮毯」とも呼ばれていました。絨毯技術は西漢時代西域から中国に伝わり、唐の時代に中原地区の絨毯製織が概ね成熟しました。元の時代に絨毯業が盛んになり、大規模な絨毯織の工房が出現しました。明朝の官営絨毯組織が高品質の官坊毯を製織し始め、清の時代に入ってから北京の官坊毯の図案は段々と多民族的な色彩で、紋様が混ざり合った芸術風格を持つようになりました。

20世紀に入ると、北京宮毯はいっそう発展していきました。1900年には、北京宮毯がフランス・パリの万国博覧会で金賞を獲得しました。1920年、北京宮毯の工房は354軒あり、中国絨毯の主要な生産地の一つになりました。1970年代末から1990年代始め、北京宮毯は輸出の最盛期を迎え、国際的にも広く名声を得ました。
見学:北京燕京八絶博物館
■花糸象嵌
花糸象嵌は伝統的な宮廷のハンドメイド技術であり、主に金銀などの材料を使用し、宝石や真珠、編み込みなどの工程を経て工芸品を作ります。花糸象嵌の製造方法は複雑で、大まかに言えば、「掐(摘み)、填(埋め)、攢(集め)、焊(鋳掛け)、堆(積み上げ)、壘(重ね)、織(織り)、編(編み)」8つの手法に分かれ、巧みな技術、造型の優美さ、幾通りものバリエーションで伝統的な芸術の特徴を持っています。

花糸象嵌の歴史は悠久で、春秋時代にはすでに現れ、明代には最高レベルに達しています。清朝以降、花糸象嵌は大きな発展を遂げ、逸品が絶えず作られてき、国内外で称賛を浴びています。北京市と河北省大廠回族自治県の花糸象嵌技法は特徴が顕著で、業界内で最も有名です。そのうち、北京の花糸象嵌は編み込みや重ねることで知られており、芸術性を高めるために、点翠技法、つまり金銀などの製品の上にカワセミの青緑色の羽を貼り付けています。
見学:WeChat公式アカウント「北京燕京八絶博物館」をフォローし、『オンラインでクラウド展示会 | 北京市工芸美術の巨匠董瑞京が「花糸象嵌」の世界に案内する』を検索すればアクセスできます。
■金漆象嵌
金漆鑲嵌は中国の伝統的な漆器工芸の重要なジャンルで、皇室ではないと使うことができません。北京は中国歴史上重要な漆器の産地であり、元の時代の油漆局、明朝の彫漆工房果園廠、清朝の宮内務府造弁処などの政府の手工芸工房の台頭で、北京漆器の発展の基礎を築きました。現在北京の金漆鑲嵌は工芸技法から芸術スタイルまで多くの方面で明朝清朝宮廷の漆器製造芸術を直接継承し発展してきました。

北京の金漆鑲嵌の製作技巧は煩雑かつ題材も豊富で、芸術的表現手法も豊富なバリエーションを持っています。その中の鑲嵌部類の製品は層がはっきりし、きわめて精巧です。彩色上絵が施された製品は色鮮で、美しい輝きを持っています。虎皮漆類の製品は色とりどりで華やかさがあり、自然のものに近くなっています。この古いハンドメイド技術は比較高い芸術研究価値を持ち、その製品は便利で実用性があり、またコレクターズアイテムともなるため、多くの消費者から愛され続けています。
見学:北京燕京八絶博物館
■七宝焼
北京の景泰藍技法は別名「銅胎掐絲琺瑯(銅製有線七宝)」とも呼ばれ、明朝の景泰年間に成熟したことから「景泰藍」と名付けられています。その技法とは銅を用いて型を作り、細い銅線を平たく伸ばし手作りでいろいろな図案を描き、つまんで溶接しながら型本体に貼り付け、再度エナメル釉薬を施した上で、焼付け、研磨、金メッキと、いくつもの工程を経て製品を完成させるというものです。

景泰藍製品の造型は上品で、豊かな紋様、富んだ色彩であり、皇室芸術の特徴を持っています。人々に「圓潤結実、金光燦爛(丸くてしっかりし、黄金色に輝く)」ような芸術を感じさせることで、芸術的価値が高く、多くの国内外での重要な展覧会で展示されています。また祖国の栄誉を勝ち取り、諸外国からの国賓への贈呈品として使われています。
見学:北京燕京八絶博物館、北京市エナメル工場、オンラインで中国七宝焼芸術博物館を見学することができます。WeChat公式アカウント「北京市エナメル工場」をフォローし、「七宝焼デジタル博物館」をクリックすればアクセスできます。
■象牙細工
北京牙雕は象牙細工のことで、歴史的に見て少なくとも2千年以上昔に遡ることができます。以降の歴史的発展過程の中で、他所から移動もしくは都に招聘された優秀な工匠と北京現地の工匠による切磋琢磨で、数百年の実践を経て、北京の牙雕はおっとりとした中に美しさを持つ宮廷の芸術品格を持っています。

象牙細工は牙自体の品質と高潔的な美的センスを兼ね備え、中国独特の工芸美術の一部分になっています。北京の象牙細工技法は複雑かつ難易度を持ち、表現する題材も幅広く、口頭で受け継がれてきたものです。
見学:北京工芸美術博物館、北京燕京八絶博物館
■玉細工
北京の玉雕は「北京玉器」とも呼ばれ、北京市に伝わる玉石彫刻技法の一つです。元の時代に起源を発し、明の時代に宮廷御用監の下に玉細工を設置し、全国から玉の名人が集まったことで、北京の宮廷玉雕業が盛んになりました。清の時代になると、北京で玉石収集が流行り、琢玉技法は歴史的なピークに達しました。

北京の玉雕には「工精料実(素材の良さと精巧さのある出来映え)」とのすぐれた評判を持ち、宮廷の玉石細工の技法伝統を継承しており、使われる材料のこだわり、精密で美しい作り、揃っている種類で、器や人物、花弁、鳥獣、盆景、首飾りなど多くの製品が生産されています。北京の玉雕技法には多くのステップを含み、造型は力強い厳かさと端正的な雅やかさを、装飾は精巧で細やかさと明るく美しい中に素朴さを持ち、職人スキルの高さを反映しています。
見学:京城百工坊、北京燕京八絶博物館
■北京刺繍
京繍は「宮繍」ともいい、古くからある漢民族伝統の刺繍工芸で、北京を中心とした刺繍製品の総称になっています。
京繍の最大の特徴といえば、華美な素材を使うことです。例えば、龍袍に飾った龍の文様は、目、角、鬣、爪の先、背骨に絹糸が使われ、他の部分にはすべて金糸です。このように作られた龍は、金色に輝いて立体感がでます。京繍では、金、銀、真珠、孔雀の羽などの貴重な素材が多用され、原料が高すぎるため、デザイナーが制限されており、慣例に従わなければなりません。

伝統的な京繍製品は国際オークション市場で最高値を更新しているが、現実の生活においては、知っている人が少なくなり、技術伝承を危機的状況に陥っています。2014年11月11日、京繍は国務院により第4陣の国家級無形文化遺産リストに登録されました。
見学:稲香湖無形遺産科学館、北京燕京八絶博物館



