
社稷壇は太社(土神)と太稷(穀神)を祭る場所である。土地と五穀は、中国が伝統的な農業国家として立国する根本である。社と稷の神を祭ることは、土地と五穀そのものの崇拝にとどまらず、国家の領土が完全で、基盤が堅固であることを祈る意味も含まれている。社稷壇は国家と社会秩序、人と土地の関係を密接に結びつけている。

社稷壇は太廟の西側に位置し、内外二重の壇垣で囲まれている。祭壇は内壇の中央にあり、正方形で、壇の頂上には五色の土壌が敷かれているため、「五色土」とも呼ばれている。これは五方、五行などの多重の意味を象徴している。この土壌は全国各地から採取され、「天下王土に非ざるは無し」という象徴となっている。




