頤和園の前身である清漪園は、清の乾隆15年(1750年)に建設が始まった。万寿山と昆明湖を主体とした大型の自然山水庭園である。頤和園は北京西部の皇室庭園の中で、最後に造られた皇家御苑であり、他の御苑とは異なる。円明園、静宜園、静明園などは乾隆帝の父祖が建設したものを改築したのに対し、頤和園は自然の地形を基に乾隆帝自身が計画し、建設したものである。頤和園は乾隆帝の庭園思想と美意識を反映している。
頤和園の設計と建設には、乾隆皇帝の治国方針が十分に反映されている。頤和園の全体的な配置において、前山の中央には大報恩延寿寺が起点となり、山の斜面に沿って仏香閣、智慧海へと延びている。これは乾隆帝が孝道を実践する模範であり、孝を以て天下を治めるという大志を象徴している。また、前湖地区の銅牛、耕織図、暢観堂などは「農業を重視し、農桑を第一に考える」という基本的な国策を反映している。後山地区の四大部洲は、チベット仏教寺院の摩耶寺を設計のモデルとしており、乾隆帝の「黄教(チベット仏教)を興すことでモンゴル族の安定を図る」という態度を表している。
頤和園は皇家庭園の特徴を際立たせている。前山と前湖地区は広大な敷地を占め、壮大な建築と鮮やかな色彩、精緻な素材が特徴である。また、江南庭園の精巧さ、雅さ、快適さ、住みやすさを取り入れており、南方庭園の優美さと皇家庭園の壮大さが高度に調和している。これにより、優れた庭園芸術を反映している。
清の咸豊10年(1860年)、頤和園は英仏連合軍によって完全に破壊された。光緒年間の中期に、慈禧太后によってこの庭園が修復され、光緒14年(1888年)に完成した。基本的には元の清漪園の構造が保たれ、この時に頤和園と改名された。
住所:北京市海淀区新建宮門路19号
公式サイトリンク:https://www.summerpalace-china.com/
チケット価格:
頤和園入園券:30元/枚(繁忙期)、20元/枚(閑散期)
頤和園通しチケット:60元/枚(繁忙期)、50元/枚(閑散期)
園中園:德和園5元/枚;頤和園博物館20元/枚;仏香閣10元/枚;蘇州街10元/枚
備考:
通しチケットには入園券と園中園入場券が含まれる。
入園券、通しチケット、園中園には割引券があり、割引入園券は15元、割引通しチケットは30元、園中園の割引券は半額である。
開園時間:
繁忙期(4月1日~10月31日):6:00開園、19:00入園停止、20:00閉園
閑散期(11月1日~3月31日):6:30開園、18:00入園停止、19:00閉園
チケット購入リンク:「頤和園」WeChatミニプログラム