AR筆とVR宇宙船で異次元交流を創出するテックカーニバル、AIアート対話を開くデジタルアート展、メタバース光波マーケットが現実と仮想を融合......「五一」連休中の北京観光市場で「テクノロジー+」体験ブームが巻き起こった。没入型体験・デジタルプラットフォーム・シーンイノベーションを駆使した多彩な科学技術観光イベントが、文化を「体感可能」に、テクノロジーに「温もり」を与え、休日の観光消費に新たな活力を注ぎ込んでいる。

トップIPと融合「科学技術を手の届く存在に」

5月1日、「触界・未来朋友圈」テックカーニバルが五道口京張鉄道遺跡公園広場で「テクノロジー+」没入型イベントを開催。AR筆で立体世界を「手描き」、VR神舟宇宙船帰還カプセルで宇宙任務を模擬、書道ロボットが扇面に揮毫するなど、先端技術の展示が目白押し。人型ロボットとのクールなインタラクションに加え、「黒悟空」コスプレショーも登場。清華大学・北京大学・中国科学院物理研究所など海淀区の名門校・研究機関が集結し、最先端技術が実験室を飛び出し、市民が「国家プロジェクト」の原型に触れられる新体験を提供した。

ここ数年、北京市文化観光局は「文化観光＋テクノロジー」の融合発展を積極的に支援し、これまでに優良事例88件を選出してきた。伝統的な観賞型観光モデルを基盤に、文化とテクノロジーの深い融合が没入型体験やスマート観光ガイドなど多様な消費シーンを生み出し、さらにデジタル文創や仮想パフォーマンスといった新興業態を育んでいる。法海寺壁画美術館では高精細大型ディスプレイや360度立体音響ドームなどのデジタル技術を活用し、同寺の壁画が持つ歴史的・芸術的・文化的価値を掘り起こすとともに、訪れた人々が明代の壁画が「動き出し」、「生き返った」かのような姿を間近で鑑賞できるようにしている。亮馬河国際風情水岸は遊覧船で亮馬河から紅領巾公園水域までの「1河川・2湖・24橋・18景」を結び、5G通信・デジタルライティング・VR技術を融合させた没入型ナイトクルーズを実現。「船は水を進み、人は絵の中を遊ぶ」という趣のある体験が、北京の夜間観光を代表する「金看板」となっている。ポップマートシティパークは3Dレンダリング技術とデジタルヒューマン技術を組み合わせ、訪れる人々に没入型のインタラクティブな遊園地体験を提供している。北京都市図書館の「メタバース体験館」は想像を超える仮想と現実が融合した読書空間を構築し、デジタルツイン技術で実施設をクラウド上に再現。利用者はオンラインのパラレルワールドを自由に行き来しながら、実際の館内で開催される展示活動に参加したり、仮想空間上の読書仲間や司書、専門家と交流したりすることができる。

技術革新が生む「五一」新体験

「五一」連休中、北京各地で展開された「文化観光＋科学技術」の革新シーンが、市民や観光客にテクノロジーがもたらす新たな観光体験を体感させた。東城区の芸雲デジタルアートセンターは王府井の新たな人気スポットとして注目を集め、4階展示場で開催中の常設展「霊境：未来インスピレーション世界」は「古代・現代・未来」の3部構成で明確な観覧動線を設計。先史時代の岩絵から古代文様、東西絵画芸術、さらには「サイボーグ」人機共生体まで、没入型デジタル光影技術によって触れられるほど身近に感じられる展示となっている。同じく王府井で開催中の「我らが天地中軸」VRインタラクティブ体験展は、国内初のUnreal Engine 5（UE5）採用VR製品。大空間位置測位・仮想現実・人工知能・リアルタイムレンダリング技術を駆使し、北京中軸線の1:1三次元高精細シーンを現実空間に再現。VRゴーグルを装着した体験者は中軸文化を臨場感たっぷりに学べるほか、体験後は文創スペースで中軸テーマのオリジナル商品を購入できる。

海淀区三山五園文化芸術センターで開催中の「2025アジアデジタルアート展」は「多知能コミュニティ」をテーマに、国内外アーティストとAIの共創作品を集結。朝陽区ブルーハーバー愛神広場の「メタバース光波マーケット」は仮想と現実の融合技術・デジタル分身などを用いた「テクノロジー＋新消費」テーマの市集を展開。朝陽区798・751地区の無界の境テックアートセンターで開催中の「ノートルダム大聖堂没入型VR展」は、第一視点で大聖堂を探検し、360度視界で「最後の審判の門」やバラ窓などの荘厳なディテールを間近に鑑賞。巨大鐘楼の下で複数の銅鐘が共鳴する震撼体験も可能だ。「永遠のガウディXR没入探索体験展」では20世紀初頭のバルセロナへタイムスリップ。スペイン人建築家アントニオ・ガウディが創造したカラフルな奇想世界を歩き、サグラダ・ファミリアなどの世界遺産を探索。参加者はガウディの「弟子」となり、仮想空間で聖堂建設に参加し、この象徴的な永遠の建築を完成させる体験ができる。