2024年5月10日、北方昆劇院は日本での素晴らしい公演と文化交流活動を無事終え、名誉を携えて帰国した。わずか5日間の訪日期間中、日本の観客に息をのむほど美しい昆劇の宴を届けただけでなく、文化交流の舞台で重要な足跡を残し、中日両国の伝統芸術分野における深い対話と友好交流を促進した。
日本・東京創価大学特別公演
訪日初日、北方昆劇院は『牡丹亭』と『白蛇伝』を携えて東京・創価大学で華々しいデビューを飾った。この公演は日本観客に中国昆劇という古典芸術の独特の魅力を伝えるとともに、両国文化の相互理解を深める契機となった。

北方昆劇院の一行は創価大学から温かい歓迎を受け、同大学国際部事務部長の川上氏、係長の韮澤氏ら学園幹部の出迎えを受けた。関係者は出演者を学内に案内し、キャンパスと学園史を詳しく解説した。
創価大学は深い歴史的文化的背景を有し、中でも中日友好の象徴「周桜」が広く知られている。これは周恩来総理と創価大学創立者・池田大作氏の友情を物語るもので、中日友好の長い歴史を象徴する存在である。北方昆劇院は国家級芸術団体として、党と国家指導者直々の配慮のもと設立され、周恩来総理自らが初代院長・韓世昌氏の任命書に署名した。この特別な縁が、双方の文化交流に深い情感の絆と歴史的つながりをもたらしている。

川上氏の案内で、北方昆劇院一行は池田記念館演劇ホールと中日友好農場を見学。創価大学の優れた教育陣、近代的なキャンパス施設、濃厚な文化雰囲気を直に体感した。
中国伝統文化の真髄をより良く伝えるため、出演者全員が早めに会場入りし、リハーサルや楽器合わせを実施。細部に至るまで入念な準備を整え、完璧な芸術表現を保証した。
公演開始前、北方昆劇院・楊鳳一院長の代理として、公演宣伝センター主任・王晶氏と日本株式会社光プロ・馬東宏氏が登壇。楊院長から創価大学宛の親書を厳かに伝達した。書簡で楊院長は「文化は交流によって多彩さを増し、文明は相互啓発によって豊かになる」と強調。昆劇芸術を「中華民族の歴史的記憶、美的情趣、精神的な追求を担う中国伝統文化の至宝」と位置付け、「北方昆劇院は創価大学との交流は単なる芸術展示ではなく、心の対話」と述べ、昆劇を架け橋に中日国民の相互理解と友好増進、文化交流促進への期待を表明した。


日本大阪万博北京ウィーク「こんにちは、北京」観光プロモーションイベント
開幕式では北方昆劇院の若手実力派俳優・高陪雨、趙芸多、劉展、張暖が披露した『白蛇伝・遊湖』に観客から「水墨画のような美しさ!」と感嘆の声が上がり、会場ではスマートフォンを掲げて撮影する光景が広がった。万博会場の可動式ステージでは昆劇や漢唐舞踊が次々と上演され、文化融合の生きた架け橋として、各国の観光客に昆劇が宿す東洋美の世界観や、無形文化財の現代社会における生命力を強烈にアピールした。本イベントは北京の観光文化資源を紹介するだけでなく、文化的相互作用を通じた交流基盤の構築を実現した。

昆劇と能楽の芸術対話
訪日期間中、北方昆劇院の芸術家たちは日本の能楽師・八田氏と深い芸術交流を実施。中国伝統演劇の至宝・昆劇は、優美な旋律、繊細な演技、華麗な衣装、典雅な身のこなしで東洋の物語を紡ぐ。一方、1300年の歴史を誇る能楽は独特の面、儀式的な所作、簡素な音楽と舞踊により神秘的な芸術空間を創造する。
交流の中で、双方はそれぞれの芸術形式の発展の歴史や演技技法、継承の経験について共有し、現代社会において伝統芸術をいかに守り、受け継いでいくかについて意見を交わした。北方昆劇院の国家一級俳優・朱冰貞と舞台監督・王鋒は、様式化された演技や水袖の技法を実演。八田氏は能楽『羽衣』『隅田川』の名場面を披露した。両芸能の独特な身体表現とリズミカルな詠唱が、参加者に両国文化の真髄を体感させた。

この交流を通じて、両国の芸術家たちは互いの芸術への理解と敬意を深めただけでなく、昆劇と能楽の間に、リズムや演出形式など多くの共通点があることを発見した。今後の協働の基盤を築くとともに、伝統芸能の現代的継承方法について実践的な知見を交換した。
文化交流の新たな航路
今回の北方昆劇院の訪日公演は、文化外交の重要な布石となった。北方昆劇院は長年にわたり、昆劇の普及と伝承を使命とし、これまでに多くの国と地域を訪問し、中国昆劇の魅力を世界に発信してきた。今回の訪問を通じて、日本の観客に中国伝統文化理解の新たな窓を開くとともに、中日文化協力の新ルートを確立。今後も文化が櫂で、信念が帆で、昆劇が育む精神性で人類運命共同体の心の故郷を豊かにしていく。



