北京中軸線、都市に新たな彩りと活力

2025-08-19

中国北京市の中心部を南北に貫く全長7・8キロの中軸線上に、雄大で荘厳な鐘鼓楼が配置されている。スペインからの観光客バルディビアさんは「ここには歴史の奥深さと生活の息づかいがあり、とても魅力的だ」と語った。

北京中軸線は13世紀に建設が始まり、16世紀に完成した。旧市街地全体の計画や構造をつかさどる建築物や遺跡の複合体であり、中国に現存する最も完全かつ伝統的な都市中軸線の建築群でもある。

北京中軸線が昨年7月に「北京中軸線-中国の首都の理想的秩序を示す建築物群」として国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録されたのを受け、中軸線上の15の遺産構成要素には、故宮や天壇、天安門広場などの人気観光地だけでなく、これまであまり知られていなかった鐘鼓楼や先農壇などにも多くの観光客が訪れるようになった。

世界遺産登録から1年余り、北京市は中軸線一帯に文化観光の新名所を整備し、複数のテーマ別観光ルートや文化探訪コースを打ち出してきた。サイクリングや散策など観光商品を充実させることで多様化、個性化する国内外観光客のニーズに応え、観光客数は急速に増加している。

エルサルバドルからの観光客、クラウディアさんは鼓楼で太鼓の演奏を観賞し、デジタル空間で鐘つきを体験。鐘鼓楼が持つ悠久の報時の歴史に思いをはせた。中国語と英語の2カ国語による中国の古代計時器の展示を見終わると「本当に素晴らしい体験だった。当時の時間文化と生活の知恵をうかがい知ることができた」と語った。

デジタル技術により、文化遺産保護に関心を持つ人たちが北京中軸線の保護活動に参加するようになった。北京中軸線遺産保護センターの周子予(しゅう・しよ)遺産監測部主任によると、スマートフォンのミニプログラム「クラウド中軸」を使って中軸線上の文化財の写真を撮影したり、データを収集したりする人たちが多くおり、政府が主導し、専門家が支援し、市民が参加する新たな文化遺産保護の仕組みが急速に整備されているという。(記者/羅鑫)

新華網日本語

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